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墓石の撤去の見積書の読み方と、お寺が指定する石材店|「一式」「別途」「税」「追加の条件」の見方、指定を断れるか、区画をどこまで戻すか

墓じまいでは、お墓から遺骨を取り出したあと、墓石を解体して運び出し、区画を平らな土地(更地)に戻して墓地の管理者に返します。この工事をするのが石材店で、工事の前に石材店が「何の作業にいくらかかるか」を書いて渡す書類が「見積書」です。

墓石の工事には、建物の工事のような、業者を縛る法律がありません。石材店の業界団体も、墓石業を直接規制する法律や業界の自主的なルールが無いと認めたうえで、自分たちで守る決まり(ガイドライン)を作っています。

なので、見積書の読み方を知っておくことが、いちばんの備えになります。

結論

  • 見積書は4か所を見ます。「一式」の中身、「別途」の項目、税込か税別か、追加料金が出る条件です。業界のガイドラインでも、石材店はこの4つを書くことになっています。
  • お寺や霊園から石材店を指定されたら、墓地の契約書や使用規則に指定が書いてあるかを確かめてください。書いてあればそれに沿うことになり、書いていなければ、何の決まりによる指定かをお寺に聞きます。
  • 区画をどこまで戻すか(基礎やコンクリートまで取るか)は、墓地ごとに違います。見積もりを頼む前に、管理者に聞いてください。
見積もりから区画を返すまで
管理者に聞く指定の有無・どこまで戻すか
2社以上に頼む同じ広さ・同じ範囲で
見積書を読む一式・別途・税・追加の条件
工事届け出と写真
区画を返す返還届・完成写真

料金の書き方の集計

業者一覧に載せている業者のうち、墓石の撤去を受けるのは18社で、公式サイトに墓じまいの料金を載せているのは14社でした。石材店は13社のうち9社、代行業者は5社すべてが料金を載せています。

料金を載せている14社の書き方を、2026年10月15日に確認した料金の記載で数えました。

公式サイトの料金の書き方 業者の数
下の金額だけ「〜」で書く 10社
下と上の金額を書く 2社
1つの金額で書く 2社
「税込」と書く 3社
「税別」と書く 1社
税の記載がない 10社

一番多いのは、「100,000円/1㎡〜」のように、下の金額だけを「〜」で示す書き方です。「〜」は「一番条件のよいときの金額で、ここから上がる」という意味なので、自分のお墓の金額は、見積書をもらうまで分かりません。

また、14社のうち10社は、税込か税別かを料金のそばに書いていませんでした。なので、見積書をもらったら、合計の金額が税込かどうかを最初に見てください。

料金を「1㎡あたり」のように広さで書いている業者は8社あります。区画の広さは、お墓の使用許可証や契約書に書いてあるので、見積もりを頼む前に確かめておくと、業者どうしを比べやすくなります。

見積書の4か所

石材店の業界団体である日本石材産業協会は、「墓石工事契約等ガイドライン」(2020年6月19日施行・2023年11月1日改訂)を作り、守ると誓約した石材店を登録店として公表しています。このガイドラインが石材店に求めている書き方が、見積書を読むときの目安になります。

墓石の撤去の見積書の見本(項目名は業者の料金ページの書き方。金額は例)数字は仮

お墓本体解体工事 一式〇〇円①
巻石・玉垣解体工事(2平米以内)〇〇円②
残土・コンクリートガラ処分〇〇円③
遺骨の取り出し(2名まで)〇〇円④
遠方・難所の場合別途⑤
小計/消費税/合計〇〇円⑥
  1. ①「一式」は、中身をまとめて1つの金額にした書き方。ガイドラインでは、含まれるものの内容や数量を書き、含まれないものは別途費用が出ると書くことになっている。墓石・外柵・基礎・納骨室のどこまでが入っているかを聞く
  2. ②「2平米以内」のように上限のついた項目は、自分の区画がそれより広いと金額が変わる。使用許可証の広さ(㎡)と見比べる
  3. ③壊した石やコンクリート、掘った土の処分。神戸市のように、残土を廃棄物処理法に沿って処分するよう求める墓地もある。処分費が入っているかを見る
  4. ④「2名まで」のように人数のついた項目は、骨つぼがそれより多いと追加になる。お墓に何人分の遺骨があるかを先に数える
  5. ⑤「別途」は、この見積書の金額に入っていないという意味。どんなときに、いくら足されるかを、契約の前に書いてもらう
  6. ⑥ガイドラインでは、内税か外税かと消費税額を契約書に書くことになっている。合計が税込かどうかを見る

ガイドラインは、見積り以外の追加費用が出る場合のことや、見積書と請求書の金額が違うときの理由を、石材店が説明することも求めています。また、内容や数量に変更や追加が出たときは、口頭か書面で説明して、お客の了承を得ることになっています。

なので、見積書に①〜⑥が書かれていなければ、「ガイドラインに沿って、一式の中身と、別途になる条件、消費税額を書いてください」と頼んでください。登録店でない石材店にも、同じことを頼めます。

同じ条件を2社以上に伝えて、同じ範囲で見積書をもらうと、金額の違いが工事の中身の違いか、業者の違いかが見えてきます。墓石の撤去を受ける業者は、墓石の撤去を受ける業者の一覧で地域ごとに見られます。

お寺や霊園が指定する石材店

お寺の墓地では、お寺と付き合いのある石材店が決まっていることがあります。練馬区の消費生活センターは、お寺の墓地では提携先の石材店があるのが一般的で、「改葬元が許可をしている石材店のみが工事を行える」という条件を挙げていることがあると説明しています。

公的な相談窓口には、次のような相談が寄せられています。

  • 知り合いの石材店に撤去を頼もうとしたらお寺から業者を指定され、ほかの業者の見積もりを取りたいと伝えると「うちの境内ではこの石材店以外の出入りは認めていない」と断られた(葛飾区)
  • 田舎のお寺から離檀料などを請求されたうえ、お墓の原状回復は指定の石材店を使うよう言われ、承諾しないと改葬の書類に印鑑を押してもらえない(東京都)

こうしたとき、消費生活センターが共通して示しているのは、「契約書や使用規則に指定が書いてあるか」を確かめることです。葛飾区は、墓地使用契約書に石材店が指定されていることがあるので、希望する石材店で撤去できるかを事前に確かめるよう案内しています。

東京都も、墓地管理者が指定する石材店を使う契約になっている場合があるとして、使用規則が渡されていればまずその内容を確かめるよう案内しています。

石材店を指定されたときの分け方(消費生活センターの助言)

契約書・使用規則に指定がある

  • その石材店に頼むことになる
  • 見積書は同じように4か所を読み、一式の中身と別途の条件を書いてもらう

書いていない・口で言われただけ

  • 「どの決まりで指定されていますか」とお寺に聞く
  • 練馬区は、改葬のことを管理者に話すときに、石材店の指定についても確かめるよう案内している

金額に納得できない

  • 練馬区は、高額な請求があれば弁護士など専門知識のある第三者に任せるよう案内している
  • 消費者ホットライン(188)で近くの消費生活センターにつながる

東京都の消費生活総合センターは、印鑑を押してもらえないと相談した人に、お寺に請求の根拠を確かめたうえで、納得がいくまで住職と話し合うよう助言しています。

お寺が改葬の書類(埋蔵証明書)を書いてくれないままなら、代わりの書面で申請できる場合があるので、お寺が埋蔵証明書を出してくれないときを見てください。離檀料など、お寺から言われるお金の分け方は、離檀料の相場と払う義務で確かめられます。

一方、公営の墓地では、指定が無いと公式ページに書いているところがあります。神戸市は、市の墓園・墓地の工事に指定業者は無いとしています。

岡山市は、業者の紹介はしていないとしたうえで、既存の墓石の処分について施工業者と十分に協議するよう案内しています。

国民生活センターには、お墓に関する相談が2025年度に1,077件寄せられていて、墓・葬儀サービスの相談には「価格やサービス内容について十分な説明がない」というものがあります。指定された石材店でも、見積書の4か所を読んで、説明をもらうことは変わりません。

区画をどこまで戻すか

区画を返す(返還する)とは、どういう状態にすることかは、墓地の決まりで決まっています。たとえば岡山市は、返還とは「使用時に設置された墓石、囲い及びお骨すべてを撤去し、従前の形態にすること」と定めています。

ただし、地面の下の基礎やコンクリートまで取るかは、見ただけでは分かりません。神戸市は、傾斜地にあるなど基礎部分の撤去の範囲が分かりにくいときは、管理事務所に事前に相談するよう案内していて、基礎を撤去したあとは隣の区画に影響が出ないよう、セメントやモルタルで面が崩れないようにすることも求めています。

なので、見積もりを頼む前に、管理者に「区画はどこまで戻せばよいですか。基礎やコンクリートも取りますか」と聞いて、その答えを石材店に伝えてください。ここを聞かずに見積もりを取ると、工事のあとで「ここまで取ってほしい」と言われて追加の工事になります。

公営墓地の返還の決まり(公式ページの記載)

神戸市

  • 工事の7日前までに施工届を出し、工事のあとに完成届と完成写真を出す
  • 撤去した石材や残土は廃棄物処理法に沿って処分する

仙台市

  • 自費で更地に戻し、墓園管理事務所から更地の証明を受ける
  • 管理料は廃止届を出した月の分まで。年度分を払い済みなら月割りで還付

浦安市

  • 墓石の撤去などの費用に補助がある(上限150,000円)。申請には石材店の見積書の原本を出す
  • 管理事務所の職員が立ち会う完了検査を受ける

工事の前後に出す書類も、墓地ごとに決まっています。

工事の前後の届け出(公営墓地の例)
  1. 1工事の前に届ける神戸市は施工届を工事の7日前までに出す。広島市は返還届に着工前の現況写真と墓地使用許可証を付ける
  2. 2工事をする吹田市は撤去前と撤去後の写真を返還届に付けるので、工事の前後に石材店に写真を撮ってもらう
  3. 3返還届を出す静岡市の返還届には工事予定日と工事業者名・連絡先の欄がある。吹田市は撤去が終わったら速やかに報告する

石材店に返還の手続きまで任せるときは、神戸市のように実印を押した委任状を求める墓地があります。見積もりを頼むときに、「返還の届け出も代わりに出してもらえますか。委任状は要りますか」と聞いておくと、書類を出し直さずにすみます。

管理料の扱いは墓地で違います。仙台市は月割りで還付しますが、京都市は年度の途中で返しても、その年度の管理料を払う決まりで、神戸市も年間使用料に月割りの制度はありません。

また仙台市は、使用許可を受けてから3年以内に返せば永代使用料の半額が戻りますが、それ以外は戻りません。

お寺の墓地には、こうした公式ページの決まりが無いことが多いので、墓地の使用規則を読んでください。

国が示した墓地の契約の見本(墓地使用に関する標準契約約款)では、契約が終わったら名義人の側が墓石などを撤去して遺骨を引き取ることになっていて、解除した年の管理料を納めていなければ、その分は払うことになっています。墓じまい全体の順番と、公営の墓地を返すときの管理料は、墓じまいの段取りと日数で確かめられます。

今日やること

  1. 1管理者に2つ聞くお寺や管理事務所に「石材店の指定はありますか。あるなら、契約書や使用規則のどこに書いてありますか」「区画はどこまで戻せばよいですか。基礎やコンクリートも取りますか」と聞く
  2. 22社以上に同じ条件で頼む墓石の撤去を受ける業者の一覧から選び、「区画〇㎡、墓石〇基と外柵、骨つぼ〇個、重機は入れます(入れません)。一式の中身と別途になる条件、消費税額を見積書に書いてください」と伝える
  3. 3見積書を4か所で読む一式の中身、別途の項目、税込か税別か、追加料金が出る条件を見て、書いていないところは書き足してもらう

出典

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