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墓じまいの移す先の選び方|永代供養墓・樹木葬・納骨堂・公営の合葬墓の違い(取り出せるか・合祀の時期・管理料・承継)、契約で確かめること、受入証明書

墓じまいでお墓から取り出した遺骨は、別のお墓や納骨堂に納めることになります。この移す先は、「永代供養墓」「樹木葬」「納骨堂」「合葬墓」といろいろな名前で呼ばれますが、名前は法律で決まったものではなく、同じ名前でも中身は施設ごとに違います。

国も、「永代供養墓」には決まった定義や慣習がなく、個々の墓所で管理するもの、一定期間のあとで合葬墓に移すもの、初めから合葬墓に納めるものなどがある、と説明しています。なので、移す先は名前ではなく、遺骨をどう納めるかの仕組みで選ぶことになります。

結論

  • 移す先は、「あとで取り出せるか」「いつほかの人の遺骨と一緒になるか(合祀)」「管理料が続くか」「誰が継ぐか」の4点で比べてください。名前では分かりません。
  • 市や都が運営する公営の合葬墓・樹木葬は、使用料が募集要項に書いてあります。たとえば1体の使用料は、札幌市の9,100円から、さいたま市の140,000円まで幅があります。
  • お寺や民間の霊園と契約するときは、国が示した契約の見本(標準契約約款)の項目で契約書を読んでください。改葬許可に使う受入証明書は、契約が決まってから移す先にもらいます。
遺骨の納め方の3つの仕組み(国の説明による分け方)

初めから一緒に納める

  • 骨壺から出して、ほかの人の遺骨と一緒に埋める
  • 納めたあとは取り出せない

しばらく個別、あとで一緒に

  • 10年・20年などは骨壺のまま個別に置く
  • 期間がすぎると一緒に納める

個別のまま管理を任せる

  • 区画や棚を個別に使い続ける
  • 管理料が続くか、期限があるかを見る

永代供養墓・樹木葬・納骨堂・合葬墓のどの名前でも、中身はこの3つのどれかです。たとえば「樹木葬」でも、千葉市の平和公園は骨壺から出して一緒に納める仕組みで、宝塚市のすみれ墓苑には個別の区画に20年置く型があります。

公営の合葬墓・樹木葬の使用料

市や都が運営する公営の合葬墓・樹木葬・納骨堂は、使用料・申込資格・取り出しの可否が、募集要項や案内のページに原文で書いてあります。県庁所在地や政令市などの15自治体について、2026年10月18日に公式ページを読みました。

自治体 仕組み 1体の使用料
札幌市 初めから一緒 9,100円
宇都宮市 初めから一緒 25,000円
広島市 初めから一緒 5万円
神戸市 初めから一緒 50,000円
東京都(八柱) 初めから一緒 53,000円
千葉市(樹木葬) 初めから一緒 60,000円
福岡市 初めから一緒 6万4千円
神戸市 10年個別 100,000円
福岡市 10年個別 11万2千円
東京都(八柱) 20年個別 131,000円
さいたま市 20年個別 140,000円

初めから一緒に納める仕組みは、1体あたりの使用料が数万円です。一定期間は個別に置く仕組みは、同じ市でも初めから一緒に納める仕組みの2倍ほどになります。

仙台市と横浜市と川崎市は、使用料とは別に、将来の分の管理料を最初に一括で納めます。たとえば仙台市のいずみ墓園は、直接合葬の1体で、永代使用料38,000円と永代管理料9,400円を納めます。

市内に住んでいない人は、料金が違ったり申し込めなかったりします。福岡市は市内に住所がない人の料金を別に決めていて、東京都の多磨霊園・小平霊園の合葬埋蔵施設は、都内に3年以上住んでいる人が申し込めます。

募集の時期は自治体で違います。仙台市のいずみ墓園は2026年10月1日から随時受付で、神戸市の合葬施設も通年募集ですが、東京都の都立霊園は年に1回の申込期間と抽選があります。

自分の市に公営の合葬墓があるかは、「〇〇市 合葬墓」で市の公式ページを探すか、市の墓地の担当課に電話して「合葬墓や樹木葬の募集はありますか。改葬の遺骨でも申し込めますか」と聞いてください。墓じまい全体の順番と、移す先と契約する時期は、墓じまいの段取りと日数で確かめられます。

取り出せるか・合祀の時期

一番大きな違いは、納めたあとで遺骨を取り出せるかどうかです。15自治体の案内では、次のように分かれていました。

案内の書き方 自治体の数
納めたら取り出せない 6自治体
個別に置く間なら戻せる・相談 3自治体
合祀のあとは戻せない 1自治体
書いていない 5自治体

札幌市の合同納骨塚は、骨壺から取り出してほかの人の遺骨と一緒に納めるので、納骨後の引き取りは一切できないと書いています。広島市も、受け付けた焼骨を返したり改葬したりすることはできないとしています。

取り出せるかどうかの分かれ目

初めから一緒に納める

  • 札幌市・宇都宮市・広島市・千葉市・木津川市・川崎市は、納めたら返さない
  • 骨壺から出して納めるので、あとから分けられない

しばらく個別に置く

  • 神戸市は、個別安置施設の許可期間内なら返還できる
  • 仙台市は、10年保管後合葬で個別埋蔵室に安置中なら保健管理課に相談
  • 宝塚市は、個別の区画にある間は改葬できる

期間がすぎたら

  • 神戸市は、10年(延長で20年)がすぎると通知なしで合葬施設に埋蔵
  • さいたま市は、20年のあと共同合祀し、その後は返せない

なので、「あとで気が変わったら別のお墓に移したい」と少しでも思うなら、しばらく個別に置く仕組みを選び、期間と、期間がすぎたときに知らせが来るかを確かめてください。神戸市のように、期限がすぎると通知なしで合葬する決まりもあります。

遺骨の一部を手元に残したいなら、移す前に分骨の手続きを済ませておく必要があります。分骨証明書の頼み先は、分骨・散骨・手元供養の手続きで確かめられます。

管理料と、誰が継ぐか

公営の合葬墓・樹木葬は、毎年の管理料がかからないところが多く、15自治体のうち9自治体が、管理料は要らない(使用料に含む)と書いています。一方、3自治体(仙台市・横浜市・川崎市)は、永代管理料や使用期間分の管理料を、使用料とは別に最初に一括で納めます。

国の指針は、永代供養料を一括で受け取る方式について、合葬にしない場合は将来の管理費用が足りなくなるおそれがあり、十分な基金が要ると注意しています。なので、個別のまま長く置く施設ほど、「管理料は本当にもう要らないのか、要るなら何年分か」を聞いておく必要があります。

「永代」の中身(国の指針が示す使用期限の型)

期限が無い型

  • 使用期限の定めが無い
  • 無縁になったときの扱いが決まっていないことがある

管理料が続く間だけの型

  • 管理料が払われなくなって一定の年数がたつと、使用権が消える
  • 納骨堂や合葬墓に改葬する決まりがある

期限がある型

  • 30年などの期限があり、すぎたら納骨堂や合葬墓に改葬する
  • 更新できる型もある

国は、「永代使用」と表示していても、実際は管理料が続く間だけの型や、期限つきで更新する型のことがあると指摘しています。たとえば横浜市の日野こもれび納骨堂の合葬式納骨施設は、使用期間が60年で、期間が満了すると合同埋蔵施設に埋蔵されます。

誰が継ぐかも、仕組みで変わります。遺骨を一緒に納めてしまう仕組みは、継ぐ人が要りません。宝塚市の樹木葬式墓所は、一般墓所と違って名義変更が要らないと案内しています。

ただし、生前に申し込んだときは、自分が亡くなったあとに納骨の手続きをする人を決めておくことになります。木津川市は本人生前予約のときに「祭祀主宰者となるべき方」を届け出させ、さいたま市も当選した人に祭祀主宰予定者の登録書を出させています。

自治体 生前申込 条件
仙台市 できる 市民・65歳以上
神戸市 できる 市民・65歳以上
宇都宮市 できる 本人か配偶者70歳以上
福岡市 できる 75歳以上
札幌市 できない -
広島市 できない -

生前に申し込める自治体は15自治体のうち9自治体で、年齢の条件がついていることが多いです。親の墓じまいと一緒に自分の分も決めておきたいなら、年齢の条件を先に見てください。

契約で確かめること

お寺や民間の霊園の永代供養墓・樹木葬・納骨堂は、決まりが募集要項ではなく契約書(使用規則)に書かれます。国は2000年に、墓地の契約の見本として「墓地使用に関する標準契約約款」を示していて、その中に、代々継ぐお墓用の「墓地使用権型」とは別に、承継を前提とせず最初から経営者に埋蔵と管理を頼む「埋蔵管理委託型」という見本があります。

永代供養墓はこの「埋蔵管理委託型」に当たるので、見本の項目に合わせると、契約書で読む欄は次のとおりです。

永代供養墓の契約書の見本(国の標準契約約款「埋蔵管理委託型」の項目。中身は例)数字は仮

委託者が指定する者父 〇〇 太郎①
埋蔵される区画〇〇墓所 第〇区 〇番②
合葬墓に移す時期埋蔵から〇年後③
委託管理料(委託供養料)〇〇円(一括)④
解除と返還埋蔵前・契約から〇年以内なら〇割⑤
合葬後の解除できない⑥
墓石などの所有経営者⑦
  1. ①誰の遺骨を納めるかを指定する欄。あとから人を足せるか、何体まで納められるかも聞く
  2. ②最初に納める区画。合葬墓や納骨堂に移すときの場所も書いてあるか見る
  3. ③国の見本の第2条2項。埋蔵から何年で合葬墓か納骨堂に移すかを書く欄。「永代」とだけ書いてあれば、期限が無いのかを聞く
  4. ④国の見本の第3条。管理の費用も一括でこの中に含める想定なので、別に毎年の管理料があるかを確かめる
  5. ⑤国の見本の第4条5項。遺骨をまだ納めていなければ、契約から〇年以内の解除で〇割が返る決まりを置くことになっている
  6. ⑥国の見本の第4条3項。合葬墓や納骨堂に移されたあとは、契約を解除できない(遺骨を取り出せない)
  7. ⑦埋蔵管理委託型では、墓石などの設置は経営者が行い、墓石は経営者の所有のまま。自分で石材店に頼む欄ではない

国の見本では、委託者は書面でいつでも契約を解除できますが、遺骨がすでに埋蔵されていれば委託者の側が引き取ることになり、合葬墓に移されたあとは解除そのものができません。合葬墓に移されたら目的の遺骨だけを取り出すことが難しいから、というのが国の説明です。

なので、契約書に③の年数と⑥の決まりが書いていなければ、「遺骨はいつ合葬になりますか。合葬のあとに返してもらえますか」と、契約の前に書いたもので答えてもらってください。国の指針も、契約書のほかに重要な事項を書いた書面を作って説明すること、やむを得ない事情がない限りいろいろな名目で料金を追加しないことを、墓地の経営者に求めています。

納骨堂で、契約のときに聞いていなかった納骨料を墓じまいのあとに言われた事例や、運営する事業者が破綻して遺骨を引き取ることになった事例は、墓じまいのトラブル事例と防ぎ方で確かめられます。

お寺の永代供養墓に移すときは、檀家をやめるかどうかの話も一緒に出ます。お寺から言われるお金の分け方は、離檀料の相場と払う義務で確かめられます。今のお墓の墓石を片付ける工事は移す先の契約とは別で、墓石の撤去の見積書の読み方と指定石材店で見積書の読み方を確かめてください。

受入証明書との関係

改葬許可の申請では、移す先が遺骨を受け入れることを示す「受入証明書」を付けるよう求める市区町村があります。県庁所在地・政令市・東京の区の57市区の改葬許可の公式ページを、2026年10月18日に読みました。

公式ページの記載 市区の数
受入証明書など 14市区
使用許可証・契約書 6市区
要らないと書いている 1市区
決めてから申請とだけ書く 3市区
書いていない 33市区

受入証明書を挙げている14市区のうち9市区は、岡山市や長野市のように、移す先の使用許可証や契約書(写しでよい市も多い)で代えられると書いています。岐阜市は、受け入れ証明書を出す必要はないと書いています。

一方、長野市は、改葬先が決まっていないと改葬許可の申請はできないと答えていて、大田区も改葬先が未定なら申請できないとしています。高知市は、申請者が改葬先の使用者であることを条件にしています。

つまり、どの市区でも、移す先と契約してから改葬許可を申請する順番になります。申請書の書き方と、受入証明書を求める市区の例は、改葬許可の申請の流れと必要書類で確かめられます。自分のお墓がある市区町村の記載は、市区町村別の改葬許可の窓口で見られます。

公営の合葬墓では、使用許可証と改葬許可証のどちらが先かが自治体で違います。

公営の合葬墓に移すときの順番(案内の記載)

使用許可証が先(宇都宮市・千葉市)

  • 宇都宮市は、使用料を納めると使用許可証が交付され、埋蔵のときに改葬許可証を持っていく
  • 千葉市は、ほかの墓地の埋蔵・収蔵証明書で資格審査を受け、納骨までに改葬許可を申請する

改葬許可証が先(宝塚市・札幌市)

  • 宝塚市の樹木葬式墓所は、改葬許可証があれば申し込める
  • 札幌市の合同納骨塚は、札幌市外の霊園にある遺骨なら、その市町村が発行した改葬許可証の原本を申請に出す

札幌市の順番だと、改葬許可を先に申請することになります。このときは、今のお墓の市区町村に「移す先は札幌市の合同納骨塚で、申込みに改葬許可証が要ると言われました。受入証明書の代わりに何を出せばよいですか」と聞いてください。

遺骨を納めるときは、どの仕組みでも、新しい納め先の管理者に改葬許可証を渡します。管理者は改葬許可証を受け取るまで遺骨を納めさせてはいけないと法律で決まっているので、宇都宮市も広島市も、埋蔵のときに改葬許可証を持ってくるよう案内しています。仙台市は、遺骨を乾いた状態で持ち込むよう求めているので、取り出した骨壺に水がたまっていたら、納める前に石材店か納め先に相談してください。

今日やること

  1. 14点を決める家族で「あとで取り出す可能性があるか」「合祀になってよい時期」「管理料を払い続けられるか」「誰が継ぐか」を決める
  2. 2公営を調べる今のお墓の市と自分が住む市の公式ページで「合葬墓」「樹木葬」の募集要項を開き、使用料・取り出し・生前申込・住民の条件を見る。見つからなければ市の墓地の担当課に「合葬墓の募集はありますか。改葬の遺骨でも申し込めますか」と電話する
  3. 3契約書で3つ聞くお寺や民間なら、契約の前に「遺骨はいつ合葬になりますか」「合葬のあとに返してもらえますか」「管理料は別にかかりますか」と聞き、答えを書いたものでもらう。改葬許可の申請に受入証明書が要るかは、市区町村別の改葬許可の窓口で確かめる

移す先が決まったら、遺骨を取り出す日と墓石を片付ける日の決め方は墓じまいの段取りと日数で、墓石の撤去を受ける業者は改葬(お墓の引越し)を受ける業者の一覧で確かめられます。

出典

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